2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

恥の文化

「日本人の生活において恥が最高の地位を占めているということは、恥を深刻に感じる部族または国民がすべてそうであるように、各人が自己の行動に対する世評に気をくばるということを意味する。彼はただ他人がどういう判断を下すであろうか、ということを推…

日本の戦争の原因

明治の偉い人は確信犯で、つまるところ、結局は、彼ら自身の善意に基づく誠実性はともあれ、彼らがそれを理解していたとしても、また、一人の人間として他人に対しどれほど好意をもっていたとしても、自分の輩下の犯した罪悪も、それが日本の実利に伸張に資…

王妃殺害事件に関する件

王妃殺害事件に関する件小村公使ヨリ西園寺外務大臣臨時代理宛 電信明治28年10月17日午後4時44発、9時20分着「今回ノ事件ニ付テハ官民共に頗る関係者多シテ、其事実ヲ得ルコト最モ難シ然レトモ今日迄ノ取調ニヨリ本官ノ確実ト認ムルモノ左ノ通リ即チ此事件…

中国の賠償金

敗戦まで、明治維新以来、約80年間に十数回、対外出兵をやっています。6.・7年に一回の割合です。アメリカ軍の本土空襲を除けば、本土の外での戦争で、日本本土に攻め込まれた戦争はないのである。よくみんなが戦争する以外にはないと言っていますが、日本…

戦後補償

>やはり韓国には戦後補償という呼び名で支払っています。勿論全額一度というのか在外資産で棒引きとかも含めてであったのか知りませんが・・・戦時中、日本は、日本の支配権を確立し、米英と戦う力をつくるために、共栄圏の各地から、ありとあらゆる富を日…

東條大将

東條大将にせよ、木戸公にせよ、同じく民主主義以前的な政事機構のなかで、臣民的な独裁者であり、或は摂政的な存在でもあり得たのであって、一方がそうした古びた社会機構の運営における武断派の代表であったとすれば、他方は同じ社会条件の下においてのみ…

三種の愛国心

国の古を慕い、その歴史の光栄を楽しみ、もしくは国家の屈辱を悲しむのみならず、よく自国の罪過を感覚し、その逃避せる責任を記憶し、その蹂躙せし人道を反省するは、愛国心の至れるもににあらずや。 (中略) わが国のいわゆる愛国心なるもの、 (中略) 滔々…

講和会議でアメリカは日本に対する賠償請求権を調印国に放棄させられました。ただし現実に日本に占領されて損害を受けた国の請求権は条件つきで日本との個別折衝にゆだねられ賠償を払ったのは、ビルマ・インドネシア・フィリピン・南ベトナムの4カ国だけで…

必然論や宿命論

歴史を必然論や宿命論で正当化しても、その必然や宿命によって人に損害を与えたことを知らないことは精神的に一人前ではないと思う。精神上の青年者ならば、必然や宿命によって引き起こされた結果について責任を感じなければならぬ筈である。歴史において無…

占領軍進駐後の二ヶ月の報告書

わが国の戦争を誘導し指導した人々の間に祖国を戦争に或は敗亡に導いたことについて、同胞をこの非況に陥れたことについて、これを同胞の前に詫びるというような気配はほとんど見受けられなかった。国民に対して責任を負わねばならぬ者が誰もいない政体とは…

家永三郎

家永三郎の「太平洋戦争」では過去の日本国家の犯してきた罪悪と過誤とに対し、忌憚ない真実糾明と批判との態度を貫いているもので、次の世代へ歴史の真実を伝えていく責任を持って人道的な立場で書かれているものです。この自ら国家の良心をもって任じ、国…

昭和天皇の戦争責任

アメリカはソ連との対立の高まりのなかで自国の国益が優先されました。対日占領政策の円滑で効率的な遂行という観点から天皇制の意識的な利用が図られ、昭和天皇の戦争責任が免責されたという事実は、そのことをよく示していると思う。東京裁判でいえば、本…

自作自演の謀略で海外進出

明治維新以来、ほとんどが自作自演の謀略で海外進出を計っていたが、このことは新聞紙上に現れんので、一般人には全然分からんから、自然に強硬論が風靡することになる。真実を知らんかったから、政府の軟弱外交を攻撃する世論が生まれ、太平洋戦争まで起こ…

不平等条約

西欧強国は産業革命より政治意識も進歩して、以前に行われていた他民族や他国からの富の直接的な略奪的侵略行為が行われなくなってきた。その代わり、産業革命により商品の売り先の開拓や、資本の充実により投資先を外国に求められようになった。だから、日…

自分の経験世界

現実の背後に何かがある、けれどもそういことには興味がない。こういう傾向をたどると「もののあわれ」論にいきあたる。つまり、自分の経験世界にふみとどまって歴史をみようとしない態度にこそ、日本人たる特徴をよく表しているんだと思う。