2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

甲申政変の真相

昨年2月22日の騒乱の詳細は、わが国でもある程度まで知られているので、それをここで詳述する必要はない。しかし、この騒乱の内幕は、日本公使トカツァイオ(竹添)の陰謀なのである。 日本は、思いがけぬ中国軍のソウル到来とともに戦術を転換したものの、…

ジェネラル・シャーマン号事件2

彼らは今日まで意図的に外国人とりわけヨーロッパ人との関係を回避してきたこと、またヨーロッパ人との関係から生じ得べきことについて判断するために、彼らは中国を凝視してきたことを率直に認めている。そして実際に、一九世紀にとって恥ずべき一八四〇年…

李朝末期の腐敗悲惨の実情

李朝末期の腐敗悲惨の実情 ごく初期のころ朝鮮に居住していたある外国人が、私に、つぎのように語ったことがある。「私が最初朝鮮に行ったとき、私はあたかも、現世からほんとうのアリスの不思議な国に来たような錯覚を覚えた。すべてがたいへん幻想的であり…

明治維新の農業政策

明治になって、百姓は女の子を間引きするかわりに、それを娘にそだてて売ることになった。日本の近代はこの人身売買を公然のものにしたのである。近代の企業は維新政府と一体化して、商品の過剰生産の悩みを最大の矛盾として内部に包みながら、一方農村の過…

間引き

私のじいさんが語りよりましたが、いま市の採石場になっとる所が、兎山というて浜村の株場1草切り場だったそうです。明治になって政府が、一人一人に割ってくれたそうですたい。それでみんな開墾してカライモを一年か二年か作りましたところが、税金をかけた…

明治維新と農民

明治維新は、廃薄置県をおこない、大名武士が土地を支配することをやめさせ、士族の軍事独占もやめさせた。そうして不十分ながら身分制を整理し、国民の職等の自由、移住の自由などをみとめてきた。明治五年には、庶民の土所有権をみとめ、したがってその売…

ジェネラル・シャーマン号事件のその後

ジェネラル・シャーマン号焼失のニュースが上海に伝わるや、その地のアメリカ提督は、ワチュセット号の艦長シューフェルトに対して、朝鮮におもむいて賠償を取ってくるように命じた。シューフェルトは、朝鮮の海岸線の測量を行なっていなかったので、まちか…

丙寅洋擾とジェネラル・シャーマン号事件

丙寅洋擾とジェネラル・シャーマン号事件 十八世紀のすぐれた地理学者デュ・アルドは、朝鮮の人々について次のように書いている。「彼らは、一般的には品行ただしく、謙虚でかつ温和な性向をそなえており、漢文を解し、学問を愛し、そして音楽と舞踊を楽しむ…

農家呼吸の余地あるを見るべし

明治維新後、紡績業・製糸業などを中心とした日本資本主義のめざましい発展にくらべて、日本農業は、地租改正によって決定づけられた寄生地主側=半封建的生産関係の枠のなかに押しこめられていった。日清戦争後明治32年において全国農家の三分の二は純小作…

日本振農策

「昔日に在りては便益なりし農業上の諸制度も、開港以来全く反対の景況を呈し、今日に及びては、却て多数人民を抑圧し、諸般の真正なる進歩を妨ぐるに至れり。又、他の一方に於ては、臣民の自由、真正なる財産所有権、貨幣経済等新に許多(あまた)の社会的…

壬午軍乱の直接の発端

朝鮮開国以来、朝鮮との貿易において主な輸出商品は綿布であり、朝鮮の伝統的な棉作および手織業が衰退する反面、朝鮮で買い集めて輸入するものは主として米、大豆などの倉糧であった。そして朝鮮国内には食糧危機をまきおこし、穀価は江華島条約以来三〜四…

日本の近代化とは

工業国じゃない日本のような農業国が開国すると、欧米の諸商品が流入によって、金か第一次生産物の輸出にもっぱら依存しなければならない。薩長政府が自己政権を強化するには軍備強化が必要とした。そのためには造船、鉄鋼、交通、伝達手段に力を入れること…