対米戦争に入る前の一般大衆

対米戦争に入る前の日中戦争時代、一般大衆は戦争に反対どころか戦争賛成で、軍部や政府を心から支持し、協力していた。戦争初期に軍や政府に反対した人はかなりいたようだが。しかし、その人たちは共産党員やごく一部の学者で、一般大衆とは無縁の人だ。もちろん情報が不十分のこともあるが、一般大衆は、「またアカの連中が何かやったな。天皇に反対などとんでもないヤツらだ」 くらいの受け取り方だったようです。また個人的に戦争にたいして疑念を抱いたり、反対の考えをもった人もかなりいたようだ。が、その人たちは大学生や知識人のごく一部にすぎず、彼らが意思を表明しなかった。大衆は、戦争が開始された時はすでに戦争に賛成し、強い日本軍に心酔していた。戦争は政治•軍事の指導者が、嫌がる国民を強引にひきずってやったというより、むしろ推し進めたのは一般国民であったということです。当時、戦争に反対したりすれば周囲から袋だたきにあったにちがいない。なぜ、そんな世相になったのか?明治維新政府が行った皇国による教育の力とマスコミである。いわく、生命線満蒙を守れ、大東亜新秩序の建設、東亜共栄圏、 五族協和、王道楽土等々。戦争を企画する勢力が発明した言葉を国民に伝え、それをあおったのはマスコミである。戦争は、ある朝突然起こるのではない。さらに、戦闘行為に邁進させるには、敵愾心を煽り、人種的偏見を利用する方法が、国民の戦争に対する理性的判断を内からつきくずすには最も手っ取り早い戦略で、教育とマスコミや人種的偏見を利用して長い時間をかけて釀成される。当時のアメリカも日本も人種的偏見を利用して戦争を借り立てていたのであろうと思う。
もし国民の多数が戦争反対だったなら、憲兵や警察による抑圧だけで、総力戦だったあの戦争に国民が踊ることもなかったろ。