何故日本は第二次世界大戦をすることになってしまったのでしょうか?

第一次大戦で日本の敵国はドイツであって中国ではない。中国と日本は交戦して敗戦したわけじゃないのに 中国にたいして21カ条を暴力で要求した。まさに火事場泥棒的根性で不遜きわまる態度だった。
そして、日中関係はしだいに険悪化したが、石炭や鉄などの重工業の原料が豊富にとれる上、日本で生産された綿糸や綿布を輸出する大切な市場となったため、日本はたくさんの資本をつぎこんだ。日本はそうした権利や利益を守るために 満州を日本の支配下に置いた。国内では 5.15事件が起こり、犬養首相 が殺害された。農村の惨状を政界の堕落によるものと喝破した青年将校たちの決起である。
しかし、政・ 財界の腐敗はつづき、農民は困窮をきわめていた。そこで軍による国家改造をもくろみ、2.26事件であわよくば政権を獲得せんとしたが成功せず、次第に軍への不平もたかまってきたので、そのボロ隠しで国内の関心を外に向けようと企てた大博打がシナ事変だ。戦線が拡張され、ぼう大な兵力が動員された。しかも勝利の見通しのないままに大部隊が各戦線に張りつけになっていた。このような事態のもとに軍の統率力は低下して、軍記の頽廃が急速に進行して戦場では残虐行為も数多く発生していた。大兵力を投入した作戦も実行されたが、人命と兵器を損失するという泥沼の状態におちいっていった。そこにドイツという大きなバスがやってきた。これに乗りおくれんがために、懸命に走ったのが大東亜戦争であった。
日清や日露戦では、まだ戦争の目的が明快にあったとすれば、シナ事変あたりから何のために 中国と戦うのか、誰もがよくわからなかった。戦う目的がはっきりしないこんな不純な動機ではじめた戦争に勝つはずはない。