大東亜戦争に至る原因

〔太平洋戦争〕
大東亜戦争に至る原因はシナ事変から起因すると見ることができる。 仮に支那事変を起さず現状であれば、その推移を考えてみると、まず、ヨーロッパ戦争が始まる。 これに米国が参加する。 世界列国は戦争の為に多くの人命を失ひ国力を尽し、兵器、弾薬、食糧其の他凡ゆる軍需品を日本に向って求めるようになる。かくして、日本の産業を挙げてこれを供給することとなれば、日本は強力なる軍隊を擁しつつ他方では、世界の資本が日本に流れ、国力は益々増大し、これにより、軍備の拡張は思う存分に行われ、実際上押しも押されもせぬ世界第一の強国となり、日本の方針は世界戦争の大勢を決すべく、日本は労せずして東西の指導権は言うに及はず、世界の指導権を握るに至るべきは常識に照らして予想することができる。