日本の官僚組織

政治とは、住みやすい社会を作るために、委託された者が立法・司法・行政の諸機関を通じて国民生活の向上を図る施策を行なったり 治安保持のための対策をとったりすることです。官僚とは、国の行政面の仕事に従事する人たちで、官僚が政治に多く関わると官僚が実質的な権力の担当者として国を統治するようになる。

マッカーサーが官僚制度を残したのはアメリカの国益に役立つとみたからで、日本人の政府や権力者にたいする盲目的恭順の意識を利用したのだ。

終戦直後焼け野原だった日本を世界有数の経済大国に変えた自民党政権という者もありますが、たとえば、大きな要因として戦後の占領政策は東西の冷戦の激化に備えアメリカは日本をアジアの安定勢力、反共の防波堤にしようとことが上げられる。また朝鮮戦争の特需もある。それ以上の要因として日本人の過労死に耐えながらの勤勉さも忘れてはならない。
そもそも国民のカネの垂れ流しの始まりは戦後の国家資金の政界財の奪いあいからで、朝鮮特需より、経済再建が推進された。団結力によって強靭な生命力を維持した官僚機構は、そのすぐれた法律知識と行政能力を駆使して、占領政治の急転換に巧みに対応し、それに乗じて中枢に根を降ろし構造汚職の体質を作った。今日まで続いて膨大な赤字を作ったのはこの構造汚職の体制あるは体質からくる。

それを直すには、政治家が国民に責任を負う体制、企業が株主に責任を負う体制、官僚の「秘密義務」の厚い壁に隠されている行政情報の公開体制が十分であることです。これらの体制を確立するためには、一党長期に終止符を打ち、政権交代がおこなわれることが不可欠である。しかし、良くも悪くも国民大衆レベルとともにある政治家群像ということである。


戦後の政治の流れを簡単に述べれば、吉田、岸、池田、そして佐藤によって戦後保守政治ができあがりました。その特長として旧官僚よる政治体制で、そこにはアメリカが日本を利用する思惑が大きく働いていることは言うまでもないことです。
つまりアメリカは日本の官僚組織の優れている面を着目した。その面とは、日本官僚の特長である、自分よりも上位の権力への依存によって生じた権力の座は、当然下に向かっての徹底した権力組織を確立することによって維持されるといものです。

吉田の権力が作り出された秘密は戦前の天皇にかわるマッカーサーの威光によるもので、岸も「かつてのA級戦犯でCIAが養成した岸首相を、安保条約改定の強行採決に利用した」(ノーベル平和賞受賞ジョゼフ・ガーソン氏)そして佐藤の安保の対処によって、自民党よる官僚優位の保守政治が完成された。しかも、これは占領権力の公認のもとにつくりだされたものです。
占領当局が日本改革を具体策に着手するとき、その協力者を見出すことはきわめて困難だった。そこで旧支配権力でも優秀な統治時術を身につけた官僚集団は利用すべき絶好の対象として映った。

完璧の組織と団結を誇る官僚集団が政治に体表選手を送り出すことは容易であったのです。そして、日本政治の中に占領軍の協力者として戦前の官僚集団が戦後にも継承された。

議会中心主義が確立されると有力官僚は争って国会をめざすようになり、それを吉田の意識的な官僚登用によって、体制権力政党として、官僚が政府を支え、政府が与党・国会を支配するようになったのです。

ほんらい横に広がるべきの議会民主政治が形骨化する縦の官僚支配の理論が日本の中枢に根をおろし議会民主政治を阻害しているのです。