明治維新

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tor***** 12月25日 17:17
日本は明治維新から野蛮になっていったのは、なぜですか?


明治政府は、対外的には露骨に武力手段に訴えるものたらしめると同時に、国際社会の荒波に乗り出したからには避けることのできない暴風に見舞われ、危機に臨むごとに、近代精神に逆行して、天皇をますます神様に祭りあげてしまい、人権尊重のごときを「止むをえざる害悪」としかみない警察政治を頼りにした。つまり、近代技術文化の恩恵には存分に浴したいと心がけながら、意識一般、ことに政治意識の近代化だけは巌に自らに否定しつづける人間が、帝国臣民の理想型となったのでしょう。


オールコック(イギリス駐日公使)は次のように述べています。

この封建制によって日本人は、われわれの考えている意味ではないにしても、多くのしあわせを享受することができた。西洋諸国の誇るいっさいの自由と文明をもってしても、同じくらい長年月にわたつて、このしあわせを確保することはできなかったのである。国家の繁栄・独立・戦争からの自由・生活の技術における物質的な進歩これらはすべて、日本人が国民として所有し、そして、何世代にわたってうけついできたものである。(大君の都)

ハリス(アメリカ駐日総領事)は

彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない。これが恐らく、人民の本当の姿というものだろう。私は時として、日本を開国して外国の影響受けさせることが、果たてこの人々の普遍的な幸福を増進する所以であろうかどうか、疑わしくなる。 私は、質素と黄金の時代いずれの他の国におけるよりも、より多く日本において見出す。生命と財産と安全、全般の人々の質素と満足とは、現在の日本の顕著な姿であるように思われる。(日本滞在記)

ペリー来航のとき、異国船を一目見ようと海岸に押し寄せ、海辺は人であふれんばかりだったという。幕府によって、不備はあるにしても、当時、外国との折衝は上出来だったと思う。戦争に敗れて講和条約という形で国を開き、巨額の賠償を支払わされ、領土を奪われ、武力で驚かされ植民地のような条項を、飲まされたりするケースがほとんどです。そのなかにあって、平和的な交渉によって不平等が少ない条約を結びます。今日、日本人を良きにつけ悪しきにつけ、動かしていることの多くは、この時代と一直線で繋がっているのでしょう。