太平洋戦争持の日本の事情

シナ事変と大東亜戦争であるが、2.26事件であわよくば政権を獲得せんとしたが成功せず、次第に軍への不平もたかまってきたので、そのボロかくしに国内の関心を外に向けようと企てた大バクチがシナ事変である。さらにその上塗りが大東亜戦争である。

こんな不純な動機ではじめられた戦争に勝つはずがない。海軍は最初から反対で、山本元帥も「一年間はどうにかできるが後は保証できない」と戦前からいっていたほどで、ではどうして負けるとわかりながら、米英を相手にするにいたったかといえば、シナ事変において道理の立たぬ苦しまぎれから、ジリ貧になるよりいさざよくやろうという単純な気持ちのもの、ドイツが必らず勝つと思っていたもの、米国は個人主義だから長期戦はできぬと思っていたもの等の綜合された室気に躍らされた東條が強引にやってしまったのである。