陛下、お尋ね申し上げます

「私が深く悲しみとする、おの不幸な戦争の直後、貴国がわが国の再建のために、温かい好意と援助の手をさしのべられたことに感謝の意を表します」1975の秋、ホワイトハウスでの晩餐会の席上で昭和天皇が述べられた言葉。
その帰国直後の記者会見で「私が深く悲しみとする、おの不幸な戦争」の発言は「陛下が開戦を含めて、戦争そのものに対して責任を感じておられるということですか。また陛下は、いわゆる戦争責任について、どのようにお考えになっておられるのですか」と問われたのに対し、天皇は、

 そのような言葉のアヤについては、私は文学方面はあまり研究もしていないので、よく
わかりませんから、そういう問題についてはお答えができかねます。

以上のように答えている。(高橋紘{陛下、お尋ね申し上げます}より


昭和天皇はときに外国に向けて「謝罪」のひびきをもつ言葉を述べることはあっても、犠牲になった国民に対して謝罪する言葉を私は聞いたことがありません。