石井ランシング協定

「合衆国及日本政府ハ領土相近接スル国家ノ間ニハ特殊ノ関係ヲ生スルコトヲ承認ス。従テ合衆国ハ日本国力支那二於テ特殊ノ利益ヲ有スルコトヲ承認ス。日本ノ所領二接壌セル地方二於テ殊二然リトス」

 これは、1917年11月に日米両国の間でむすばれた中国に関する協定、いわゆる石井ランシング協定の冒頭の部分です。

上記のようにアメリカは日本の特殊権利、特典を認めた上での「中国の独立または領土保全」と「中国における門戸解放または商工業に対する機会均等の主義」で、特にイギリスが従来から勢力範囲であった中国の経済的中心地であった長江流域に進出するためでしょう。

そこで、1920年の新四国借款の成立でも各国が保有していた未完の鉄道施設権の共有化することを条件としていますが、日本は満州地域の利権は共有化から除外することを認め内蒙古にかかる利権は新四国借款に提供したのです。