明治維新

日本の近代は明治維新より始まったとあるが、それは小説であり、物語でありみな嘘です。大久保らの若者が暴力で「玉」を奪い、徳川を潰し維新をなした。だが、その確固たる動機ならびに国の目標はなにも無かった。これが現実で、いろいろ述べられているが、すべて跡付けだ!
人権尊重のごときなどは、「止むをえざる害悪」として、個人尊重は「安寧の秩序」を害するものとして葬りさることにより、近代技術文化の恩恵だけを存分に浴したいと心がけながら、意識一般、ことに政治意識の近代化だけは、厳に自らに否定しつづける人間が、帝国臣民の理想型ということになる。これは世界史上近代にいたってはじめて生み出された貴種であり、しかも、中世期的精神の継承においてのみ可能な交配種のひとつであったのです。この近代日本の時代錯誤的特色をわが国の萬邦無比なるゆえんであると強弁するところに、世界中からみれば、不気味な国と見られる所以です。
よって、日本のほんとうの近代は戦後から始まったとみることもできるのではないでしょうか。