紀尾井坂の変

紀尾井坂の変
島田らが大久保暗殺時に持参していた斬奸状は、4月下旬に島田から依頼されて陸が起草したものである。
其一、公議を途絶し、民権を抑圧し以て政治を私す
(公儀を閉ざして民権を抑圧し、政治を私物化している)
其ニ、法令謾施、請詫公行、恣に威福を張る
(法令が朝令暮改であり、官吏の登用に情実が使われている)
其三、不急の土木を興し、無用の修飾を事とし、以て国財を徒費す
(無用不急の土木事業などで、国費を無駄遣いしている)
其四、慷慨忠節の士を疏斥し、憂国敵愾の徒を嫌疑し、以て内乱を醸成す
憂国の志士を排斥して、内乱を引き起こした)
其五、外国交際の道を誤り、以て国権を失墜す
(外交に失敗し、条約の改正を遂行できず、国威を失墜させた)