内村鑑三

明治藩閥政治家の功罪を論じて「憲法が發布されて以來、日本は道徳的には段々と悪くなった。特に政治家の堕落、愛國心の減退は最も著しくある。法律と繁育とで日本を改築しようとした薩長の政治家等の浅薄き加減今に至りて嗤ふに堪へたりである。伊藤井上など人生の深き事には全然沒交涉なりし政治家等に由りて作られし新日本が、今日の如く浮虛輕薄の國に成りしは敢て怪むに足りない」(大正八年十二月十一日日記内村鑑三)
更に「日本今日の文明は実に危險極まる文明である。此は基礎のない西洋文明である。そして斯かる危險なる文明を植附けた者は薩長政治家達である。日本今日の行き詰りはすべて玆に基因して居る。遠からずして彼等の位階勳章を悉く剝取らねばならぬ時が來るであらう」(大正十三年十一月五日日記内村鑑三) と太平洋戦争の敗戦の基因は薩長政治家達だと看破するような予言を下しています。