大日本帝国時代に、アメリカを含めた連合国と戦争しましたが、この戦争はおかしい!という声を上げるデモなどはなかったのでしょうか?

非国民と言われ処罰されるのがオチだからでしょうか?
この時代の国民心理が知りたいです。

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当時の国民は、新聞紙、出版物、演説、映画、演劇の脚本などに加え、思想まで取り締まられていたのである。国民は自国の重要な問題について、真実を知り、自由に意見を交換することもできません。このような重要な事実や思想が自由に伝達できない社会では、国民の健全な成長は望めない。戦争に反対する否定的、批判的な思想の表現、そのような平和的な思想を形成するために必要な事実や報道ができない社会でしたので、政治の失策からくる国民の不満を相手国に転化する政策を明治維新以来から行われていたのである。このような政策よって日本の国民の視野と思索は限定せられることを免れなかったのである。
日本は日中戦争によって言論と報道の自由が全面的に封鎖されたなかで戦争継続の強硬論のみを国論として指導します。その結果、マスメディアは国論の志向に輪をかけて戦争熱の鼓吹につとめ、排外主義的な世論をいっそう増幅させた。この強硬な世論の定着によって外交交渉による戦争収拾の可能性をいちじるしくせばめられていったのである。たとえば、中国大陸からの撤兵などによって日米交渉すれば、いままで排外主義をあおられつづけてきた民衆が軍部や右翼の強硬派のクーデターに呼応したり、国民の不満が爆発するのではないかとの危惧が日本の政治家ら自身の保身に走らせた。いっさいの言論の自由を剥奪し、国民を盲目の状態においた政治家はみずから作った言論統制の結果によって生じた強硬な世論におびえ、政策の選択の可能性をしばることによって、より破壊的な戦争へのめりこんでいったのである。天皇を含め日本の最高の指導にあったものらは、内乱は恐れたが、戦争は恐れなかった。なぜなら戦争で死んでいくのは民草らで、自分らは死なずに済むように出来ている社会であることを確信していたのです。