鈴木貫太郎

降伏時の首相鈴木貫太郎も戦後まもないとき、鈴木内閣の国務大臣だった左近司政三に、つぎのように話している。

 「陛下としては戦争責任をお取りになるのが至当だ。しかし今日との混乱している日本の現状においては、他の何人が代っても日本は復興しない。・・・退位など考ふべきではない。退位については絶対に自分は賛成できない。在位のまま戦争責任を負って行かれねばならぬ」

鈴木貫太郎は明らかに天皇の「戦争責任」を認めている発言をしています。

鈴木内閣の書記官長であった迫水久常も、「法制上あるいは日本政治の慣習上からすれば、天皇の戦争無責任論も成り立つだろうが、皇室と日本国民の長い歴史的結びつきからいえば、天皇はこの戦争に何等道義的責任もないとは断言できない」今度の戦争でも、ヒトラームッソリーニは無惨な最期を遂げている、「日本の天皇も無責任ではありえない。せめて退位されるくらいのことは考えねばならぬ。そういう空気が、いまは故人になった政治家、現存している政治家の口から漏れていた」と書いていますので、天皇の「戦争責任」を認めています。