対米戦を決意する

[太平洋戦争]
大日本となるためにはバスに乗らねばならぬ、バスに乗るためにはアメリカと一戦を辞せぬという覚悟が必要だ。問題は、独伊が最後に勝つから英米と敵対しても勝馬に賭けた方が得であり、このチャンスを逃すと日本は膨張の機会を失うからです。


参考
11月15日、戦争になった場合の見通しについて大本営政府連絡会議はさらに討議を重ねました。結論として、アメリカを全面的に屈服させることは、さすがの無敵の陸海軍もできないということになる。ではどうやったら戦争を終結できるのか。

一、初朗作戦が成功し、自給の途を確保し、長期戦に耐えることができた時
二、敏速積極的な行動で重慶蒋介石が屈服した時
三、独ソ戦がドイツの勝利で終わった時
四、ドイツのイギリス上陸が成功し,イギリスが和を請うた時

おわかりのように、とにかくドイツが勝つことをあてにしているんです。ドイツがソ連を叩きつぶし、イギリスが降参したら、さすがのアメリカも戦意を失うだろう、したがって講和に持ち込むチャンスが出てくる。だからそれまではつらいだろうが長期戦になろうと頑張ろうじゃないかという結論でした。(昭和史 半藤一利 P372-373)